芸能人(げいのうじん
芸能人(げいのうじん)は、演芸・演劇・大衆音楽・ミュージカル等において、それぞれの舞台上で観客に芸を披露する事で報酬を得る人の総称。
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概要と解説
- 古来、芸能人とは観客の前に立ち、つまりステージに立って人々に芸を披露する事で報酬を受け取るものであった。
- 売れっ子ともなれば当然知名度も上がり、収入も増える。結果、ファッション、ライフスタイル、言動などが常に大衆に注目されるようになり、時としてカリスマ的な影響力を及ぼす。が、そんなに甘い世界という訳でもなく、生活を維持し生計を立てるには不安定で、人気が無くなれば活躍の場は減り、人々に忘れられればそれこそ「お役御免」とされてしまうシビアな世界でもある。
- 長期的に安定した職業とするには才能や実力は絶対条件ながら短期的展望においては運によるものもあり、逆に実力があってもチャンスに恵まれなければなかなか活躍は出来ず、総じて有名になれる者はごくわずかである。しかし、その華やかさもあって若年者からの「将来なりたい職業」では常に上位にランクインするなど、大衆文化を享受する人々にとっては常に憧れであり、依然人気である。
- 現代においては実際にはさほどの芸も実力も無い者がまさしく運によって生き残っているケースも実在するため「芸ノー人(芸NO人)」と揶揄されることもあり、同性愛者の芸能人を「ゲイ能人(Gay能人)」と呼ぶこともある。その一例として、レイザーラモンHGがいる。(ただしレイザーラモンHGはお笑いのネタとしてゲイを演じている)
マスメディアの登場と芸能人の変化
もともと芸能人は日々の糧を得るには非常に不安定な職業で、その歴史は古くから差別の対象であった。農村社会が永らく続いた日本においては、成人するまでに村社会において必要な様々な実力を身につけることが求められ、周囲の仲間と同等の仕事、例えば重い米俵を担げる、同じ早さで稲刈りが出来るといった必要な能力を身につけそこなった者は、大工や鳶といった職業集団や旅芸人等へ身売りされるといった現実があった。このような流れが江戸時代には士農工商の身分外の存在(商人や職人のさらに下の身分)として差別される形となって記録されている。
また、ヨーロッパ等においても彫刻家や音楽家の処遇にそのルーツを見る事ができる。彼らは古くはローマ帝国時代はもとより、文芸の大いに賑わったルネサンス・バロックの時代においても有力な資産家をパトロンとして得なければ後世に残る偉業もなし得なかったと言えよう。著名なクラシック作曲家の伝記をひもとけば、自分の思いで作られた曲とパトロンの歓心を得るための曲が明白な場合が少なくない。
現代のようにマネジメント等を専門に引き受ける会社がなかった時代、上記口減らし的なものも含め基本的には師匠に弟子入りし、師の元で研鑽に励む事で芸を受け継ぎ、自分のものにしてゆくのが典型的な方式であったが、世阿弥の例に見られるように時の将軍の覚えめでたく、破格の待遇をもって当時最高峰の知識人であった一流の貴族から直接教養を授かるチャンスに恵まれた事を生かして、自らの技を高めその奥義を記す迄に至った場合もある。また、猿楽、田楽といった庶民的なものも含め活動の場はもっぱら舞台しかなく、他者と技を競うといった機会も限られることから自らが必死に研鑽に努めたとしても何ら生活の保障などは期待できなかった。つまりは「農工商で生計を立てられない半端者」が生き残る為にやむなく選ぶ職業であったのだ。
しかしこれが映画や、ラジオ、テレビの出現で、また資本主義の急速な進展により大きく変化した。芸能人の活動の場がマスメディアに移っていったのである。従来の舞台の場合はその興業場所に芸能人、観客双方が足を運ばなければ成立しなかった。現代においては映画の発達やテレビ放映のネットワーク確立に伴い、フィルムやその他映像記録媒体に収録されたものとしてより広く多くの観客へ一度に提供するものとなったのである。まず映画によって同時に多数の場所で視聴可能となり、ラジオやテレビに至っては受信できる環境にありさえすれば自宅でも楽しむことが出来る。このような非常に簡易に享受できるメディアの急速な普及が既存の芸能と芸能人のあり方を根本的に変えてしまったと言える。収入面から言っても知名度を考えても、メディアへの露出はもはや芸能人にとって、成功するための必須とも言える条件になってしまった。が、これと同時に本来の芸を見せるのではなく、話術や容姿またはキャラクターなどが求められる傾向が強くなった。このような状況から、本来ラジオやテレビの職業的出演者を指す「タレント」との個人毎の区別は次第に消え、多くの芸能人がラジオやテレビに活動を依存しているのが現状である。
境界性の強い芸能人
前述のように定義や区分に曖昧さの多くなった「芸能人」において、芸能人というカテゴリに含まれるものの内部において境界性の強いジャンルとして声優・お菓子系アイドル・地下アイドルがあげられる。
- アニメ・吹き替えなど声の仕事を専門に行う専業声優は芸能人に含まれるが、境界性が強いため区別されることが多い。これとは異なるケースとして、話題作りのため有名な歌手・タレント・俳優・文化人を声優に起用することがあり、有名芸能人という意味で芸能人と呼んでいることがある。そのためアニメファン・声優ファンは日頃より歌手や俳優等を「芸能人」と呼ぶことが多い。
- いわゆるお菓子系アイドルも声優同様境界性が強い。メジャーなアイドル雑誌にはあまり登場せず、クリームやホイップ等の「お菓子系雑誌」を中心に活躍しているからである。最近ではお菓子系出身のAV女優やお菓子系のテイストを持ったAV女優も多く登場し、アイドルファンよりアダルトビデオファンから支持を集めていることもお菓子系アイドルが歌手・タレント・俳優と区別される理由であると考えられる。
- 地下アイドルも声優・お菓子系アイドル同様境界性が強いと考えられている。マスメディアには登場せずライヴ活動や撮影会等を中心に活躍しているため、有名芸能人と区別されることが多い。
境界性の強いジャンルで活躍している人物を一括する傾向は近年ますます拡散・進展しており、現代においては本来の活動場所の如何を問わず、テレビ等で取り上げられる芸能で持って収入を得る人すべてを「芸能人」と一括りにする一般人さえ見られる。つまり、噺家であろうが舞台役者であろうが元アスリートであろうがテレビ出演をして技や体験談などを披露するすべてを「タレント活動をする」という理由によって乱暴に「芸能人」に括ってしまう極めてアバウトな捉え方であり、特に日本に於いては文化の退廃と見る向きもある。同様に、作曲家やバンドプレーヤ等の演奏家を目指している人等は「この人は芸能人を目指している」と紹介される事に強く拒絶感を覚える事も多い。
芸能事務所が加盟する業界団体
芸能事務所が加盟する業界団体としては、以下の3団体がある。
- 日本音楽事業者協会(略称:音事協)
- 音楽制作者連盟(略称:音制連)
- 日本芸能マネージメント事業者協会(略称:マネ協)
詳しくは各項を参照。
関連項目
- アイドル
- 芸能事務所